深い歴史を持つSHURE SM58。
通称ゴッパチ、又はゴッパーと呼ばれ耐久性、コスパに優れたボーカルマイクのスタンダードです。
ところで同じゴッパーでも年代によって違いがあるのをご存知でしょうか?
参考資料が少ないため僕が調べて知り得る範囲でご紹介したいと思います。
パッと見、分かりますか? 年代によってグリル下の文字がちょっと違うんですが・・・
上の二つ、①は一番最近のゴッパーでおそらく生産がアジア圏(中国とか韓国・・・?)②はちょっと前(年代はわかりませんが・・・多分10年くらい前まではコレだったんだと思います。)のゴッパーで生産はメキシコ製です。違いは”SM58″の文字の太さです。②の方がちょっとだけ太い字なんです。 本体の色合いや手触りもほんのちょっと違います。そして肝心の音ですが近年のゴッパーはスッキリとした(悪く言えば音が細い)印象を受けます。②の方が音が良いと僕は思います。マイクの音も経年変化するとは言われてますが、どちらも何本か所有してますが、明らかに②の方が音は良いと思います。
そして3本目のゴッパー、made in USA。何が違うのかって?まったく別モノです。現行のゴッパーが決して悪いわけではなく、ボーカルに適した素晴らしい音には違いないのですが、ただアメリカ製のこのゴッパーは、音が太くて輪郭がはっきりしてスムースな伸びを感じ取れます。音の密度が濃く芯の通った声という印象です。使われてる磁石がまったく違うので当たり前と言えば当たり前なんですが。アメリカ製はアル二コ磁石、メキシコ製は安価なフェライト磁石というものが使用されてるらしいです。アル二コ磁石は、レアアースと同等の強い磁力を持つと言われています。今では希少な磁石なんでしょうね。1984年頃までがmade in USAで、特に1980年初頭頃までがポルシェロゴと呼ばれる字体のロゴで、このゴッパーはとても希少なようです。当時の定価で7万円、実売でも45,000円もしたそうです。生産本数も今ほど多くはなく貴重なマイクという位置付けであったようです。 アンプで言うならトランジスタと真空管くらいの違いがあるんではないでしょうか。 先日初めてライブで使用してみましたが、SENNHEISER E945(最近メインマイクとして使用してます。)をさらに肉厚にして伸びのあるイメージがします。
ケースやマイクホルダーも現行のモノとは違いますね。
ビンテージマイク、素晴らしいマイクです。
噂では聞いてましたが、実際使用してみて素晴らしさを実感出来ました。
何でもデジタル化が進む昨今ですが、改めて古き良き時代の音の質の良さを再認識できました。